- 頭痛が続くのは異常?長時間・
長期間続く頭痛にお悩みの方へ - 頭痛の種類と特徴(片頭痛・
緊張型頭痛・群発頭痛など) - 頭痛が続くときの対処法
- 頭痛で病院に行くべきタイミングは?
受診の目安 - 頭痛を防ぐための予防方法
頭痛が続くのは異常?長時間・
長期間続く頭痛にお悩みの方へ
頭痛が1日中続く、あるいは1回あたりは短時間だけれど繰り返されるといった場合には、日常生活のさまざまな場面でお困りかと思います。
頭痛は日常生活の質を大幅に下げてしまうため、頭痛の原因を知り適切な治療を行うことが必要です。
また、脳疾患など重い病気を見逃さないため、お早目に当院にご相談ください。
頭痛のメカニズムと
誘発されやすい状況
頭痛は、脳とつながる神経・血管、筋肉、脳を覆う膜、あるいは頭皮などで起こる圧迫、炎症などによって引き起こされます。
ただ、ちょっとした体調不良、環境の変化から誘発されることもあります。たとえば、風邪を引いた時には脳血管が拡張し、周囲の組織が刺激を受けることで頭痛がします。また、肩こり、ストレス、低気圧、寒暖差、ホルモンバランスの乱れ、目の酷使、寝不足など、さまざまな誘因があります。
受診の際には「こんな時に頭痛がする」「この時間帯に頭痛が強くなる」といった情報をお伝えいただければ、検査の選択、診断に役立ちます。
頭痛の種類と特徴(片頭痛・
緊張型頭痛・群発頭痛など)
頭痛には、以下のようにさまざまな種類があります。それぞれの頭痛について、特徴をご紹介します。
片頭痛
頭の片側または両側に、ズキズキとした拍動性の強い痛みが出ます。症例によっては、吐き気を覚えたり、仕事や勉強が困難になるほど痛みが強く出ます。頻度は月1~2回から週1~3回とさまざまで、1回につき数時間~3日ほど続きます。
視界に光るものが見える・手足がしびれる・呂律が回らないといった前兆の後に片頭痛が現れた場合、脳卒中のリスクが高くなるため、注意が必要です。
月経・天候・ストレスでの悪化も多く、肩こりのみの訴えから診断に至ることもあります。
緊張型頭痛
頭痛の原因として最も多いのが緊張型頭痛です。
ストレス、首・肩の血流の低下などを原因として発症する頭痛です。強さはそれほどではありませんが、重く、締め付けられるような不快な頭痛があります。通常、数時間~数日ほど続きます、また、良くなったり悪くなったりを繰り返します。
群発頭痛
三叉神経・自律神経性の頭痛の代表的な頭痛が群発頭痛です。数ヶ月~数年に1度の頻度で、発作が起こり始めると数週間~数ヶ月に及び、毎日同じ時間帯(特に夜間)に強烈な頭痛に見舞われ、日常生活が困難になります。
必ず片側の頭痛で、比較的、男性に多く、喫煙もリスクになります。
脳疾患による頭痛
くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、脳梗塞、硬膜下出血、脳動脈解離、あるいは頭部外傷などによって引き起こされる頭痛です。手足のしびれ、呂律が回らない、視界に光が見える、めまい・吐き気などの症状を伴う場合は、特に注意が必要です。すぐに、脳神経外科などを受診する必要があります。
女性ホルモンのバランスの
変化による頭痛
エストロゲンの量が急激に減少する時、神経伝達物質のバランスが変化し、脳の血管の拡張、神経の炎症などを招き、頭痛が起こることがあります。主に、月経時などに見られる頭痛です。
薬の副作用・痛み止めの
飲み過ぎによる頭痛
血圧を下げる薬(カルシウム拮抗薬)・血をサラサラにする薬(抗血小板薬)・血管を拡張する薬・痛み止め等の薬を過剰に内服することの副作用として、頭痛が生じることがあります。ひどい場合には医師と相談した上で、使用を中止したり、種類を変更したりする必要があります。
その他
副鼻腔炎、風邪、髄膜炎、緑内障、膠原病(側頭動脈炎など)、低気圧、寒暖差、目の酷使、寝不足、カフェイン過剰摂取などをきっかけとして、頭痛が起こることもあります。
頭痛が続くときの対処法
頭痛が続く場合、すぐに受診できれば理想的です。
頭痛の原因は多種多様であり、特に、突然発症した頭痛・慢性的に続く頭痛・日常生活に支障をきたしている頭痛などは、お早めに当院にご相談ください。
脳卒中が疑われる場合などは急を要します。すぐに受診してください。
どうしてもすぐに病院を受診できない場合は、以下のような方法をお試しください。
片頭痛への対処法
片頭痛の場合は、安静にしたり、頭を冷やしたりといった方法が有効です。
暗い部屋で安静にする
一般に、片頭痛は身体を動かしたり、光・音の刺激があると悪化します。
暗い部屋でしばらく安静にすれば、症状の改善が期待できます。
頭を冷やす
頭を冷やすと、血管の拡張が抑えられ、痛みの軽減が期待できます。保冷剤をタオルで包む、または冷却シートを使うなどして、頭を冷やしましょう。
緊張型頭痛への対処法
緊張型頭痛の場合には、以下のような方法が有効です。
首や肩を温める
首や肩を温めると、筋肉がほぐれ、血流が改善します。ホットタオルを当てたり、お風呂に入ったりすることで、緊張型頭痛の軽減が期待できます。
気分転換・軽い運動をする
ストレスが原因になっている場合には、少し休憩をとり、気分転換をすると頭痛が軽減することがあります。ウォーキングやストレッチなどの軽い運動もおすすめです。
群発頭痛への対処法
群発頭痛に対しては、市販薬やセルフケアにおいて、あまり有効な対処法はありません。医療機関を受診すれば、お薬の処方、皮下注射、酸素吸入など有効な治療が受けられます。
ツボ押し
東洋医学では、ツボ押しが頭痛の軽減に役立つと考えられています。手の甲側の親指・人差し指の付け根付近にあるくぼみ(合谷)をゆっくりと押してみましょう。
市販されている頭痛薬の内服
片頭痛、緊張型頭痛に使用できる、さまざまな頭痛薬が市販されています。あくまで一時的な対処法として、うまく活用しましょう。
頭痛で病院に行くべき
タイミングは?受診の目安
頭痛はちょっとした体調不良、環境の変化などによっても起こる症状です。そのため、受診のタイミングが掴みづらいということもあるかと思います。
しかし、以下のような場合には、QOLを維持するため、また病気を見落とさないため、お早目に受診されることをおすすめします。
- 突然、激しい頭痛が起こった
- 軽い頭痛が1日中続いている
- 頭痛が毎日のように繰り返される
- 仕事、勉強などに支障が出ている
- だんだんと強くなる頭痛、頻度が増してくる頭痛
- 月に10日以上、頭痛薬を飲んでいる
- 頭部を打った後に現れた頭痛(ただちに受診してください)
- 手足の痺れ、呂律が回らないといった症状がある(ただちに受診してください)
頭痛を防ぐための予防方法
頭痛の予防としては、普段から体調を整えておくこと、寝不足・ストレス・お酒の飲み過ぎを控えるといった、基本的なことが大切になります。
また片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛それぞれについての予防法も、以下でご紹介いたします。
片頭痛
片頭痛のきっかけとなりやすい疲労、ストレス、お酒の飲み過ぎ、寝不足などを避けましょう。片頭痛が起こりそうな時には、激しい運動・入浴など、血管の拡張を招く行為を避けることも大切です。
緊張型頭痛
ストレッチなどの軽い運動、マッサージ、入浴などで首・肩を中心とした筋肉をリラックスさせること、血流を改善することが、緊張型頭痛の予防として有効です。
群発頭痛
飲酒は群発頭痛の誘因となるため、少なくとも群発期にはお酒を控えましょう。また、医療機関で処方される予防薬を使用するのも有効です。